食べるお薬
もうすぐ4月。
暖かい日差しのポカポカ陽気かと思えば寒い冬に逆戻り。
季節の変わり目は気温も不安定で体調が崩れやすい時です。
何となく調子が良くないな?と感じた時には「薬膳」を意識してみてはいかがでしょう。
薬膳というと、薬草や漢方食材などを使って薬のような独特な臭いや、健康的だけれど美味しくない料理を連想するかもしれません。
でもそれは間違いです。
薬膳とは漢方の元にもなっている中医医学に基づき、食材のもつ自然のパワーを取り入れた食事のことを差します。
つまり簡単にいうと「旬」を取り入れた料理のことです。
すべての食物に薬膳の効果があるというのが、薬膳の思想です。
旬のものを食べることで、その季節に合った効能が得られるという考え方であるため、普段の食事に季節ごとの旬の食材を使うだけでも、薬膳を実践することができます。
薬膳を食生活に取り入れる上で大切なのが、それぞれの食材の効果を理解することです。普段食べている食材の一つ一つに効果があります。
基本の効果を理解すれば、身近な食材で十分薬膳を取り入れることができます。
日常生活で薬膳を取り入れるのは、難しいことではありません。
今のような春先。
冬の「陰気」から春の「陽気」への切り替わりに身体が付いていかない人が多いのですが、積極的に外に出て日の光を浴びながら散歩をするなどが効果的。
胃腸のトラブルや自律神経の乱れによる情緒不安など、春に多い症状も緩和されます。
春に食べたい食材は、菜の花や春キャベツ、クレソン、新玉ねぎなど。
魚介類ではイカや鰆などがおススメ。
こういった食材を発酵調味料(味噌、塩こうじ、醤油こうじ、など。お家で簡単につくれますよ)でシンプルに味付けしただけで、身体が喜ぶ立派な薬膳料理となります。
ちなみに、野菜には必ず火を通すこと。
薬味などで少量を生で食べるのは構いませんが、基本的に野菜を生で食べることは身体を冷やすことに繋がります。
昔は旬のものを食べるのは当たり前のことでした。
ですが、今は一年中いろいろなものが売られているので何時が旬なのかが分からなくなっています。
これってとても恐いことです。
一体どうやって一年通して同じものが手に入るのか?
栄養価はどうなのか?
そして一番恐いのは、若い人や子ども達に「旬」という概念が失われようとしていることです。
四季がはっきりしている日本では「初物は笑って食べる」と言って、旬のものを家族で分け合って四季を楽しむ文化があります。
春を告げる食べ物を食べることで自然界に感謝を告げ、家族の健康を喜び合う。
人間は四季折々の自然が持つ力を上手に使って生きてきました。
今の日本は不自然な食べ物に囲まれ、四季と結びついた様々な伝統行事を忘れ、自然の持つパワーを身体に取り込むことをしなくなってしまいました。
昔は聞いたことも無かった病に苦しむ人がどんどん増えているのも、うなずけるように思います。
人間だって自然の一部。
自然界の流れに溶け込んで自然と共に生きることが本来の幸せなのではないでしょうか。
旬を味わうこと。
取り戻したいですね。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました💖