精神疾患の弟~その2~

こんにちは、犬ママです!

 

前回、精神疾患で闘病中の弟のことを書きました。

正直、めちゃめちゃ勇氣がいりました。

 

読んでいただいた方をいたずらに混乱させることになるかもしれない。
同じ症状と闘っている人たちやご家族の方々のご迷惑になるかもしれない。
私自身が話して楽になろうとしているだけかもしれない。

何よりも、もしこの先弟の目に留まることがあったらどう感じるだろうか。

 

いろいろな思いがぐちゃぐちゃに頭の中を巡りました。

ただ、それでも「伝えなくては!」という気持ちが押さえきれませんでした。
同時に、私自身の覚悟を決めるためだったのかもしれません。

 

8年間、たくさんの人の話を聞き、いろいろな方向から調べ、できる事はやってみたのですが実際は何が正解か何が間違いかは分からないまま。
全部正解で全部間違いなのかもしれません。

人間の心と体のことは、本当はまだほとんど分からない事ばかりなのだと思います。

 

1度目の入院は約半年間でした。

週に2度病院に通っている間に、たくさんの患者さんとそのご家族に会いました。

ある日を境に人格がどんどん変わっていくご主人と見守る奥様。

長年同級生にいじめを受け暴力と恐喝で心が壊れてしまい母親に罵声を浴びせる息子と、戦いに疲れ切った様子の母親。

廃人のような年老いた息子と高齢の母親。

入退院を繰り返し、長い闘病生活が続き既に訪れる家族もいない患者さんも多いと聞きました。


面会に来る様々な人たちの気持ち、ほんと胸が痛いです。

何度か言葉を交わした60代くらいのお母さんは「息子の妄想から毎回罵られてもうクタクタだけど、それでも私は息子のために1日でも長く生きなくちゃと思って。できる事なら私が死ぬとき一緒に連れて行きたい。」

そんなお話に返す言葉は見つかりませんでした。

 

価値観や接点が一つも無い、噛み合わない会話。
何気ない言葉が酷く相手を興奮させてしまったり、悲しませてしまったりする恐怖。
接する側はとても神経を使い、疲弊してしまいます。

弟の場合は病院も患者も当時勤めていた会社の仲間も全員グルで自分を暗殺しようとしているから、調べてくれ。という話が大半でした。

周りに盗聴器が仕掛けられているから、と私の耳元でひそひそ話たり、時には筆談。

こちらはばかばかしい話と思っても、本人にはそう感じ、そう聞こえ、そう見えているのでしょう。
初めのうちは私も病氣の理解が乏しく「氣のせいだよ。心配しないでゆっくり寝てね。」などたわいない会話を返すともう激怒して「お前もグルなのか?何が目的なんだ?!全てを白状しろ!」などと興奮状態になってしまい、言葉かけにとても苦労しました。

 

症状を抱える本人が一番辛いのですね。死んでしまいたいくらい。

それはひしひしと伝わって来ます。

ですが、その会話の中の深い悲壮感や絶望感と共に「生きたい!」という本能を感じるのです。

そのメッセージを感じるからこそ「何とか底なし沼から引き出してあげたい」と強く思います。

 

氣をしっかり持っていないと、こちらも辛くて苦しくて共倒れしそうになるのですが。

 

 

精神的なダメージを持っている状態は身の回りを整える事が困難になるようです。

それはよく耳にするのですが、8年前第1回目の入院となった時のあの光景は今も目に焼き付いて忘れる事が出来ません。

健康保険証や印鑑などすぐに必要なものを探しに弟の暮らしていたアパートのドアを開けた瞬間、体が凍り付きました。

 


「え?、、、」
一瞬ここがどこ何か分からなくなりました。
非日常すぎる光景に動悸だけが異常に早くなり立っているのがやっとでした。

 

 

床は全く見えない状態でゴミで埋め尽くされています。

それはだいたい予想は出来ていました。

しかし目を疑ったのはそれとは別のことでした。

部屋の壁四方一面に同じデザインの白いワイシャツがびっしりとかけられ(おおよそ200枚以上)蓋が空いた状態の洗濯機にも丸めた白いワイシャツが山積み。

部屋のゴミも大半が丸めてビニール袋に詰め込まれた衣類(しかも白!!)

そんな中に古い型から、割りと新しい型まで、おびただしい数のパソコンと基盤(というのかな?)が散乱。
一体何をしようとしていたのでしょうか。
開封していないPCパーツもたくさん積み重ねられ、2DKの割と広い部屋全てがシュールなゴミ屋敷でした。

半端じゃない量のゴミで埋め尽くされているにも関わらず、妙に生活感が感じられない部分が逆に信じられないほど不気味なのです。

 

私の家から車で1時間以上かかる場所でしたが、あまりの光景にショック過ぎてその日はそれ以上踏み込むことが出来ませんでした。

その通常じゃない光景の裏にとても深い悲しみを感じ、帰り道車を運転しながら涙が溢れて止まりませんでした。

 

 

弟は大手の設計事務所にデザイナーとして働いていました。

人付き合いは上手ではありませんが仕事は認められていたのだと思います。

長くフリーのデザイナーでしたが得意先の1件だった会社に社員として迎え入れられ働いていました。

発病前に会った時には、仕事がかなり忙しい、海外出張もあってたいへんだ。
アニメーションを組み込むなど、もっと新しい提案をしたいけれど会社から経費が出ない。
あんなケチな会社ではろくな仕事が出来ない!

そんな会社への不満を長々と話していました。

会社への不満を愚痴る場面はサラリーマンにはよくある事ですが、弟の愚痴は群を抜いていてとにかく自分の仕事にお金を出さない会社はおかしい。時間を区切るのはおかしい。不満だらけで聞いているのが本当に苦痛でした。

今思えば、会社の仕事というより自分の「作品」を極めたかったのでしょう。

 

とにかくこだわりの強い人なのです。

与えられた環境の中で出来る事を考えるという発想ができず、自分が良いと思う状態にするためにどんどんお金をつぎ込みいつも借金だらけ。
たまに私に連絡が来る時は、借金の督促に怯えどうにもならなくなった時だけでした。

 

今回もきっと自分でPCをカスタマイズしようとパーツを購入しては研究をしていたのかもしれません。

恐怖の部屋を全て整理して判明したのは、預金ほぼゼロ!

借金あり!

やはり、、、

 

結構な高給取り、独身。
普通ならそこそこ預貯金があってしかるべき年齢。

こだわりと現実の狭間で日々この部屋でたった一人、何を思って生きていたのだろう。

何か目標はあったのだろうか。

夢や希望はあったのだろうか。

掃除や洗濯など身の回りのことが出来なくなり、会社に通うために安いワイシャツを買い、使い捨てる日々だったのだと思います。

そのプライベートの闇が日に日に膨らみ、全てから逃げ出したかったのかもしれません。

 

 

心がえぐられる様な哀しみに満ちた空間の整理が終わった頃から、その後どこまで続くか分からない弟と私の不毛の時間がスタートしました。

ここからのことはまた、自分の心の整理のためにも機会を見て書いていこうと思います。

 

 

前記しましたが、弟は一人暮らしでした。

なので途中で異変に氣付き助けてあげる事が出来ないまま月日が過ぎていきました。

いつから幻覚が見えたり、幻聴が聞こえたりが始まったのかは分かりませんが、誰にも相談できず、ひとり苦しみに耐えていたのだと思います。
(これは二回目の入院をしている現時点更に激しくなっていて、日に何度も電話が来て「多分今夜はもう殺されると思う。もうこれが最後の電話になる。」と毎日訴えています。入院しているので私は心配していませんが、きっと怖くて仕方が無いのでしょう。)

 

本人が悪いわけでも、周りが悪いわけでもありません。
誰かが救い出せるものではないのかもしれません。
治療方法が確立してはいません。
薬を使って気分をコントロールすることは出来るようですが根本解決には繋がりません。
でも、緊急の時は薬も必要だと思います。

何よりも命が大切です。
(緊急の時以外は薬を使うべきではないと私個人は思っています。)

 

私も、今だから冷静にそう思うことが出来るようになりました。
当時は「私がもっと氣にかけてあげていたら」と自分を責める氣持ちと、「なぜ姉弟というだけでこんな思いをしなくてはいけないんだろう。もう勘弁してほしい!逃げ出したい!」という氣持ちで自分自身がおかしくなりそうでした。

 

今は、少し離れた視点で冷静に見る事が出来るようになりました。

自分がいくら思い悩んでも何の解決にもならないどころか、こちらのイライラや不安でエネルギーの低下した一番苦しんでいる当の本人が更に追いつめられることになります。

過ぎたことはもうどうしようもないので、本人の心が少しでも安らぐように否定をせず話を聞いてあげる、心を許せる相手でいてあげようと思っています。

弟にとって頼れる存在は世界中に私だけなのですから。

私には側で支えてくれる主人や娘たちの存在があります。
家族の存在が私にとって最高の宝物であり、明日への原動力なのです。

弟にとっての原動力を見つける手伝いを私がしなければいけない、そんな氣がしています。

 

 

 

もし、皆さんの家族がお部屋の掃除や身の回りの事が出来ない状態になって、なおかつ笑顔が見えなくなっていたら、ぜひ頭ごなしに叱ったりせずゆっくりお話を聞いてあげて欲しいと思います。

全く関係の無い話題でいいので、本人からお話が出て来るようにしてあげてください。
単に時間が無くて掃除が出来ないのなら一緒にやろうか?と言って一緒にやれば良いのです。
触らないで欲しい、ほっといて欲しい、という場合はそのままその話題には触れず楽しい話題で、いつも家族が一緒だよ!のメッセージを伝えてあげて欲しいと思うのです。

もちろん全てが全部、掃除が出来ない=エネルギーが低下している というわけではありませんが、一つの目安になるかなと思います。

 

 

私は常日頃、衣食住の環境を整えることでの健康作りを行っています。

このブログでもいろいろな視点からの発信をしています。

★そけい部リンパの流れを阻害しない下着(ふんどし)のすすめ。

★血流改善やミネラル補給、体内化学物質排出に繋がる水と食について。

★部屋の空気を浄化し、シックハウス症候群から体を守る方法。

 

そのどれもが体に優しく効果が高い手段方法なのですが、一番必要なのは常に心を許せる家族や友人など身近な人たちが声を掛けたり話を聞いてあげたりしながら、認めてあげることなのではないかと思うのです。

 

精神疾患は誰でも患う可能性があります。

ある調査では癌や糖尿病になる確率よりも多いという結果だったようです。

情報過多でスピードが速く、自然な状態から大きくかけ離れてしまった現代社会に心も体も悲鳴を上げているのだと思います。

でも私達はそんな社会で生きなければなりません。

そして生まれて来たからには楽しまなければいけません。

人とはちょっと違う感性や考え方があっても、それは個性です。

人と違うことで遠ざけたり病氣と決めつけないで、一人ひとりみんな違う個性を尊重し合い、認め合い、誰でも心から楽しめる夢や生きがいを持って暮らすことが当たり前という文化が必要なんだ、と思います。

 

相手の良いところを素直に認め、称賛し合える世の中だったら。
世間の「常識」という言葉が死語になったら。
子供の頃からの好きな事を、大人になってもとことん打ち込むことが普通に出来る世界だったら。

きっとたくさんの人が心豊かに生きられるのではないかと思います。

 

 

人は一人じゃ生きていけない。
みんな支え合って生きて行こう。

ベタですけど、大事なのはやっぱり愛なのかな。

 

姉弟という縁に結ばれてこの世に生まれて来た私と弟。
共倒れにならないように、二回目の入院生活を支えて行きます。

いつ見たか覚えていない弟の笑顔を見る事を目標に。

ファイト!私!!

 

 

今回書くことによって忘れていた記憶を思い出したり、いろいろな氣付きに繋がる事がたくさんありました。

少しづつ、私目線で書いて行きたいと思っています。

同じような境遇でお悩みを抱えている方々に、何かひとつでもお役に立てる事があれば幸いです。